すぐ導入できる物流倉庫向け温度管理ソリューションを解説
物流の現場では適切な温度管理が必須
医薬品や食品、化学薬品などを取り扱う物流倉庫では、商材がデリケートゆえに厳格な温度管理が求めれます。
従来は倉庫の温度が規定の範囲内であるかを全ての場所で計測することは困難でした。しかし昨今ではIoT技術の進歩により、あらゆる場所において簡単で正確な温度管理が可能になっています。
今回は、センスウェイが提供する物流倉庫向け温度管理ソリューションを解説していきます。
温度、湿度の管理に特化したパッケージソリューション
センスウェイが提供する物流倉庫向け温度管理ソリューションは、温度、湿度の管理に特化したパッケージソリューションです。通信にはLoRaWANを使用し、センサーとゲートウェイを設置するだけですぐに利用できます。
各種センサーは電池駆動のため配線不要です。設備の入れ替え時もお客様にて機器設置が可能です。センサーの電池はセンサーの種類にもよりますが、複数年持つものがあり、メンテナンスの手間も最小限です。
LoRaWANゲートウェイは接続無制限なので大量のデータを収集でき、専用アプリケーションで一元管理して可視化できます。集計したデータは、報告書や分析のためにデータ出力して活用できます。
LoRaWANとは
LoRaWANとは、LPWAの一種で「LoRa Alliance®」が定めた「無線ネットワーク規格」の名称です。IoT向けの通信規格で、仕様は公開され、世界中のさまざまな企業が既に利用中です。LoRaという名前は、低消費電力で遠くまで通信できることから「長距離」という意味の「Long Range」に由来しています。
LoRaWANは、この「LoRa」の変調方式を採用したネットワーク規格で、「WAN」の部分は「Wide Area Network」の略称です。全て繋げると「Long Range Wide Area Network」になり、直訳で「長距離広域ネットワーク」となります。
LoRaWANの特徴
LoRaWANには、下記のような特徴があります。
- 低電力・省電力でセンサーが通信できる
- Wi-Fi、BLEと比べて圧倒的に電波の回り込み特性がよく、障害物があっても長距離通信ができる
- 他の無線ネットワークが存在する環境下でも干渉せず安定した通信できる
- 多くのLPWAはセンサーからのデータ送信(アップリンク)は10byte前後となるがLoRaWANは最大で「242byte」と柔軟な設定ができる
- センサーのデータ受信について回数の制限がなくLPWAの中で最も柔軟な設定ができる
- LoRaWANはライセンス不要のアンライセンスバンド(特定小電力無線、またはISMバンド等とも呼ぶ)で、Sub-GHz(サブギガヘルツ)帯と呼ばれる920MHz帯を使用
これらの特徴から、広大な物流倉庫においても問題なく使用できます。LoRaWANの詳細は「LoRaWAN🄬とは?」の記事をご覧ください。
LoRaWAN®︎とは?
LoRaWANとは、LPWA(省電力長距離通信)の一種で、「LoRa Alliance(外部サイト)」が定めた「無線ネットワーク規格」の名称です。IoT向けの通信規格で、仕様は公開され、世界的に広く利用されています。
センスウェイの物流倉庫向け温度管理ソリューションでできる3つの対策
物流倉庫向け温度管理ソリューションでは、下記事項への対策が可能です。
- 食品の衛生を守るHACCP食品温度管理対策
- 倉庫内の職員を守るWBGT熱中症対策
- 貨物を結露から守る結露対策
食品の衛生を守るHACCP食品温度管理対策
「HACCP(ハサップ)」は、アメリカのアポロ計画の中で宇宙食の安全性を確保するために発案された衛生管理手法で、「Hazard(危害)」「Analysis(分析)」「Critical(重要)」「Control(管理)」「Point(点)」の頭文字をとってできた造語です。アポロ計画の後に食品業界で評価され、衛生管理の国際的な手法となりました。
HACCPでは、原材料の受け入れから加工・出荷までの各工程で「微生物による汚染や異物の混入などの危害を予測」し、「危害の防止につながる特に重要な工程を連続的・継続的に監視し記録する」といった、製品の安全性を確保できます。
従来の抜き取り検査に比べて、より問題のある製品の出荷防止が可能で、特に食品等事業者(食品の製造・加工・調理・販売など)に関しては、令和3年6月1日からHACCPへの取り組みを義務化すると厚生労働省から通達が出ています。
HACCP対応には細かい温度管理が欠かせません。特に複数の冷蔵庫、冷凍庫の温度を日々チェックしていくには手間がかかります。計測場所が離れていると移動が大変で、計測ミスや漏れ、記入ミスなどが起こる可能性も捨てきれません。
しかし物流倉庫向け温度管理ソリューションを導入すれば、離れた場所のセンサーデータも受信し、簡単に一元管理できます。
センサーは簡単に移動できるので、レイアウト変更時にも新たに配線をし直す必要はなく、センサーの場所を変えるだけでOK。日々の計測データを大量のセンサーから漏れなく収集し、異常値が出た場合にはアラートを発報することで効率的な管理ができます。
倉庫内の職員を守るWBGT熱中症対策
「暑さ指数(WBGT(湿球黒球温度):Wet Bulb Globe Temperature)」は、熱中症を予防することを目的として1954年にアメリカで提案された指標です。単位は気温と同じ摂氏度(℃)で示されますが、その値は気温とは異なります。
暑さ指数(WBGT)は人体と外気との熱のやりとり(熱収支)に着目した指標で、人体の熱収支に与える影響の大きい湿度、日射・輻射(ふくしゃ)など周辺の熱環境、気温の3つを取り入れました。
通信機能の無いWBGTセンサーを使用している場合、作業場所のセンサーを都度確認・記録する必要があります。特に広い倉庫内では温度管理に時間と労力を要します。またリアルタイムでない定期的な確認では、急な温度上昇に対応できません。
しかし物流倉庫向け温度管理ソリューションなら、広い倉庫内において離れた場所でもセンサーデータを受信し、手元のPCやスマートフォンで簡単に管理できます。毎回複数のセンサーを確認して回る必要はなく、細かい温度管理によって高温下での集中力低下によるピッキングミスや送り先ミスなども低減できます。
設定した閾値を超えた場合には、指定した宛先にアラートをメールできる点も魅力です。
貨物を結露から守る結露対策
倉庫内で結露が発生すると、下記のような事態が発生しかねません。
- 段ボールの濡れによる積んだ段ボールの崩落
- 錆やカビの発生
- フォークリフトや作業員のスリップ・転倒事故
- 仕分けの機械(マテハン機器)のセンサーや火災報知機などの誤作動
- 漏電による火災
そこで物流倉庫向け温度管理ソリューションを使用することで、結露リスクをIoTによって見える化し、危険を事前に予測したアラート発報で適切な換気や保管品移動等、迅速な対応を促します。
物流倉庫向け温度管理ソリューションの導入事例
ここからは、物流倉庫向け温度管理ソリューションが実際に物流の現場で使用されている事例をみていきましょう。
柏魚市場様でのHACCP対応ソリューション
千葉県柏市にある柏魚市場では、将来義務化されるHACCPに向けた対策の一環で、市場内の鮮魚の品質・衛生管理のために鮮魚移動ルートの温度・湿度を計測する必要がありました。
そこでセンスウェイの物流倉庫向け温度管理ソリューションを導入し、異常時のアラート通知や、過去の温度データ参照などによる適切で効率的な温度管理を実現しました。
ESR様大型物流倉庫での温湿度監視ソリューション
夏場の倉庫は暑く、体調不良、熱中症のリスクが高いものです。株式会社ESR様の倉庫においても同様の課題があり、テナント様と作業員の労働環境改善のために倉庫全体での効率的で正確な温湿度環境把握が必要でした。
その課題を解決するために物流倉庫向け温度管理ソリューションを導入。温湿度センサーを活用することで効率良く課題を解決できました。
センスウェイの物流倉庫向け温度管理ソリューションで効率的な倉庫運営を
LoRaWANを採用したセンスウェイの物流倉庫向け温度管理ソリューションなら、広大な物流倉庫でも問題なく通信できるため、現場環境の温湿度可視化が可能です。
センスウェイの温度管理ソリューションを活用して、効率よく物流現場の温湿度管理をしていきましょう。